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2008年6月15日日曜日

「般若心経の謎を解く」という本を読みました。

ここ数か月というもの、仏教の本を、図書館から借りてきては読んでいる。
般若心経の本を読んで感銘を受けてからで、般若心経がらみの本が多い。
それから、ネットの友人の勧めで、親鸞が話した言葉をまとめた「歎異抄」を読み、たくさん疑問が湧いたので、その答えを模索する意味もある。

昨晩は、三田誠広さんの「般若心経の謎を解く」を読んだ。
習慣で、布団に入ってから読み始めたのだが、実におもしろくて、夢中で読んでいたら、読みきってしまった。
朝四時を過ぎていた。
三田さんは、お坊さんで無いし、宗教学者でも無い。
早稲田大学の教授であり、芥川賞を受賞した程の小説家だ。
本の内容は、だから、たくさんの資料に基づいた学術的な内容だった。
釈迦の生い立ちから、その時の世相や、仏教の成り立ちや、ライバルの宗教についてまで、細かに説明しながら、般若心経の考え方を解説している。

般若心経の重要なキーワードの「空」についての説明は、少し弱いような気がしたが、「般若波羅蜜多」や、最後の真言(マントラ)についての解説は、納得がいくもので、ありがたかった。

おもしろかった点を二つ。

一つは、般若心経のショートバージョン、262文字でつづられた、よく知られている般若心経は、お釈迦様が書いたものでは無く、釈迦が入滅してから、数百年後に誰かが書いたもので、玄奘三蔵が、サンスクリット語から漢字に翻訳したものだった。
その玄奘三蔵は、有名な西遊記の三蔵法師だそうだ。
西遊記は、もちろんフィクションだが、三蔵法師は実在の人物で、実際にインドに行き、大学で勉強して、経典を持ち帰って、翻訳したということだった。

もう一つは、般若心経に「舎利子」という名前が二度登場する。
釈迦の弟子のシャーリプトラの事だ。
観音様も登場するが、お釈迦様が瞑想しているときに、観音様が呼びかけているのかどうか、はっきりしないが、そのシャーリプトラを観音様より下に見下す為に、二度も登場させているという解釈だ。
般若心経が書かれた頃、修業によって悟りが得られ悟りの境地である彼岸に到る事ができるという小乗仏教に対抗して、誰でも彼岸に到る事ができるという大乗仏教があった。
大乗仏教は、小乗仏教より他の宗教にも対抗する為に、観音様をはじめとする、たくさんの菩薩というスーパースターを考えだしたんだそうだ。
その菩薩より、小乗仏教の最高の兄弟子であるシャーリプトラの方が上であると主張する為に、二度も呼びかけているという解釈、とてもおもしろい。

一気に読んでしまうほど、楽しい本だった。
三田さんは、宗教にしばられること無く、自由に書いていた。痛快だった。
しかし、般若心経が好きだということも、感じられた。
三田さんは、キリスト様についても本を書いている。
探して、読んでみようと思う。

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